自動車関係の会社での、文系の人の仕事について




質問箱に、こういった内容の質問が来ていました。

全部で450件以上近くの中で、ちょっと異彩を放っているというか、光るものが有る質問でした。しかも数件同じような質問をされていました。

コレはちょっと答えようと思います。

 

 

正直、会社の仕組みって学生さんにはよくわかんないじゃないですか。

自分も最初、どの部署がどんな仕事しているか全然わからなかった。ただそれが常識になっている。暗黙知というか。それってかなり問題だと思うんですよね。
大雑把なしくみというか、「概略」を掴んでおくだけでも、自分の進む道のイメージが付きやすかったりすると思うんです。先が見えていると、不安も無くなる。わからないって一番怖いんで。

 

というわけで、自動車関連企業、今回は部品メーカーを主に見つめますが、文系の方が携わりそうな仕事を列記していきたいと思います。

 

 

部門の列記

それじゃぁ書いていきます。

部門名は一般的な名称にしていますので、会社によっては呼び方が違うかもしれませんが、そこはご了承ください。

 

営業

出来上がった製品を、顧客に販売しに行く部署。対外的な窓口になる部署。

自分みたいな部品メーカーだと、お客さんは完成車メーカー等。一部部品メーカーもあります。

お客さんの調達部門と、売価や納期などの折衝をすることが主な仕事。またお客さんから最新の動向を聞いてきたりして、今後の事業の方向性に影響を与えたりと、社外に出て最前線で働く部署です。

 

調達

製品を作るために必要な材料を買い付ける部署。いわゆる下請けメーカーに対する窓口。メーカーに寄っては、「購買部門」って言われることもあります。

たくさん買うから安くしてね~とか、いつ迄にこれだけの個数必要だから準備してとか、関連メーカー・下請けメーカーさんとの公称をする役割もあります。

また協力してモノづくりをしていくメーカーから、新技術の情報を受けたり、新しいメーカーや製法・製品。技術を発掘したりして、開発部門に提案する役目も持ちます。

 

関連メーカーさんから、新素材が提案された時の例:

【素材メーカーさんとの打ち合わせと、社内相談】

素材メーカーさん「新しい金属が出来上がりました。既存品と同等強度で30%軽いです」

調達「おもろいやん。開発部門に提案してみるわ」

調達「開発さんこれ使ってみて。」

開発A「強くて軽いのはいいけど耐食性はどうなの? あとコレとあれと、あの物性も教えて。使えそうだったら、今開発しているこの部品の代替材料として検討するね。」

調達「開発から言われたこの物性データ頂戴。あとコストちょっと高いから、年間これだけ作るから少し安くして」

素材メーカーさん「データはこれです。価格はちょっと勉強させてもらって、これで勘弁してください」

 

【社内での打ち合わせ】

開発A「データ見ました。物性的に問題ないですね。」

調達「でもトータルの製品売価は、今より上がるで」

営業「軽くなっても、既存品比較で販売価格がUPしたら買ってもらえんよ。」

開発A「メーカーさん叩くのもかわいそうだから、他部門にも情報展開してみたら?欲しがるところあると思う」

 

【後日の相談会】

開発B,C「その材料、うちの部品でも使ってみたいです」

調達「よっしゃ、これで年間の使用量が増えたから、購入価格の交渉がしやすいわ」

 

続く・・・・・

 

 

凄くざっくり書いたんですが、上記みたいな流れ。実際はもっといろんな部署が絡みます。

開発は技術的な側面から、購買とか営業は、価格・納期・安定供給できるか・完成車メーカーさんとのやり取りなどなど、いろんな視点からメーカーさんとやり取りしていくんですね。

 

 

 

ここまでが対外的な役割も持つ部門。此処から先は主に社内の仕事です。

 

管理

事業管理っていう会社もあるみたい。会社がやっているお仕事の、事業性を確認する部署です。

お客さんと営業が締結した製品販売価格から、開発費用、工場の操業費用、人件費とかとかいろいろなデータを取りまとめて、どのくらい利益が出るのかを算出する部門。

ここの計算で赤字になったら、そもそも仕事にならないからプロジェクト中止。バンバン利益が出ることが分かったら、追加設備投資で大量受注を取りに行くとか、色々戦略が変わります。

プロジェクト推進中も計算は随時アップデートされて、途中で目標としている営業利益のターゲットに到達しなくなった場合は、

  • コスト下げろ―!
  • もっと安く作れ―!
  • 残業するんじゃねー!

の大号令がかかります。

 

法務・特許

会社間のやり取りで法令違反が無いかとか、特許を提案したり、自社製品が他社製品を侵害していないかなどを確認する部署。

会社って基本的に国内・国外の法律でくくられた枠の中で動いていて、立場が弱い所は結構守られていたりします。

何気ないやり取りが法律違反だったりすることも多いので注意。

  • 例1:「今すぐ物欲しいから、先に頂戴。後で伝票切るわ」
  • 例2:「(一定以下の資本金のメーカーに対し)これ安くして」

上記はどちらも違反です。

 

経理

会社間のお金の流れを管理するところ。

売上とか、材料の購入費とか、設備の購入費・使用料とか、給料の支払いとか、退職金の計算とか、出張費とか、社内の内線の料金とか、会社って色んなお金が出入りします。

それだけを管理する専門部署が必要となるんです。

 

人事

人の流れを管理するところ。

新入社員を採用したり、中途採用、派遣会社とのやり取り、やめていく人の対応、配置転換・転勤など、人にまつわることは結構多い。人材育成とか、研修とかのプロジェクトも組んでいたりします。

個人的にはこの部署って、全部門のスーパーエリートが定期的に入らないと駄目な部門だと思う。ただなかなかそういう会社って少ないのよね(伸びてる会社の人事はもれなくスーパーマンな印象あり)

 

総務

語弊があるけれど、なんでもやさん。

上記の仕事に当てはまらない事務的なことを一手に受け持つ部署。

勤怠とか、出張処理とか、諸届の提出先とか、社内便の整理とか、社用車の整備手配とか、お客さんからの連絡を取り次いだりとか、常に忙しくしているイメージが有りますね。

 

ここの担当者と、仲が悪くなると結構シンドイ。逆に仲良くなると、社内のシステムや流れを全部把握しているので色々教えてくれます。

 

 

 

以上がざっくりとした、文系の方が入りそうな部門ですね。

基本的にこういった部署に配属されることになると思います。

 

 

どこに配属されるのか。

コレは、その会社で今どの領域のマンパワーが不足しているか、そしてどの部門にこれから力を注いでいこうとしているかに寄って、全く変わってきます。

法律関係の専攻をされている人は法務系に比較的生きやすいでしょうし、経済学部出身だと、経理や管理などに回されることが多いでしょう。

 

これまで勉強していた事と、全く畑違いな部署に行くことも往々にして有ります。

まぁそれは理系も同じです。

自分も情報工学が専攻だったのですが、バリバリの機械系・メカ屋さんの部門に配属され、仕事しながら必死で材料工学と機械力学勉強しましたよ(遠い目 まぁ電気とメカの、両方わかるようになったから結果良かったけどね。

 

 

開発に行けるのか?


研究・開発部門にいけないこともないと思いますが、ものすごく外国語(中国・フランス・ヒンディー語など)ができたり、理系以上に数学できたりとか、何か一芸に秀でていないときついイメージ。そしてたとえそうであっても、

  • 圧倒的パフォーマンスを示して注目の若手となり、
  • 他部門の役割や状況を理解し(重要)
  • 全社合同・部門横断的なプロジェクトで頭角を現して、
  • 開発部門から一本釣りされる

といった、流れじゃないと難しいかなぁという印象です。

 

 

 

商品企画関係に入るのは難しいのか

もう一つ質問があった、商品企画関係に入るのは難しいのか?というお話。

コレについてですが、自分の会社にそれに近い部門がないので、なんとも言えないのが正直な回答。。。

 

ですので、以下はイメージになります。

 

 

いきなり配属されることも有ると思うし、ある程度他の部署で経験積んだ人が、転属って形で配属されるパターン。

独創的な発想って、前者のようにすぐに入って純粋培養されたほうがいいのでは?と思われがちなんですが、個人的には後者のほうが面白いと思っています。別部署である程度経験と知識、そして自信をつけて、その部署から眺めた新しい視点というのを持ち込んだほうが深みが出る。

 

これって「感覚」になるので全部伝えるのは難しいんだけど、まっさらな状態で企画を書いても、何かこう「絵に書いた餅」というか、浮世離れしているものになりがちな気がするんですよね。もしくは既に有るものだったりとか。

自分がいいなと思うのが、複数の人間が、それぞれの部署でしっかり経験を積んだあと、企画を持ち寄る形でぶつけ合ったりするる形。こうするとシナジーが起こりやすくなったり、実際に企画が進んだあとも、自分の分野を軸にしたピポッドを効かせやすいんじゃないかと思います。

例:

  • 新規製品が、購買部門関連でトラブりそうだ。
  • この前入ってきた■■くんは、この前購買だったな、この案件クリアできる?
  • あ、コレなら自分もやったこと有るし、もっと詳しい先輩もいるのでやってみます!

的なね。

 

なので、いきなり商品企画に入れなかったとしても、将来的に企画をしてみたい!という気持ちを持ち続けながら、頑張ってみてください。飛び抜けた実力を持てるようになったあと、「自分は企画をやりたいんです!」というアピールをしたら、通りやすくなると思います。

 

 

まとめ

長くなりましたが、こんなところでしょうか。

 

実は車業界、なかなか新卒の採用が厳しくて色々四苦八苦しています。

色々技術革新とかが盛りだくさんで揺れてる業界ですが、最先端の技術に触れることができる、楽しい業界だとも思います。

ぜひ車業界目指してがんばってください。

 

感想待ってます。BLOGでもTwitterでもどちらでもどうぞ。

 

 

以上です。

 

 




8 件のコメント

  • 車業界が新卒を採用するのが厳しいとは意外でした。人が集まらない? それとも採用する基準が高い? そんな感じなのでしょうか。
    理系の仕事は就活通して知りましたが、文系の仕事も多岐にわたるのですね。参考になりました。

    • ⇒ハルさん
      コメントありがとうございます。
      採用基準も高くなりつつありますが、それ以前に募集が少ないのがネックです。
      車離れというか、そもそも業界に興味がないのかも。

      部品メーカーなので、まだまだ車バカ(Car guy)は多いほうなんですが、完成車メーカーだと「対して車好きじゃないけど、安定してるから応募しました」「研究室のコネがあったんで」って人多いです。
      まぁこれはどの業界もかもしれませんが。。

  • こんにちは、いつも楽しく拝見させて頂いております。
    自分は現在大学1年生で広告業やマーケティングを学んでいて、最初は広告代理店や出版社などの業界を目標にしていたのですが、今年の夏に免許を取るのを機にたまたま主さんのブログとBOTを見て車業界に興味を持ちました。
    質問なのですが、車会社における広報という部署は文系でも入ることが出来ますか?
    やはり交通経済学のような専門分野を学んでいないと厳しいですか?
    それはそれとして、今回の記事とても参考になりました。

    • ⇒ファイズさん
      コメントありがとうございます。
      広報ですね。広報部門が有り、CMの企画・カタログの発行などの対外業務、社内報や社内掲示物の発行などを担当している部署です。文系の方が多いとおもいます。ファイズさんが勉強されている、広告やマーケの考えがそのまま活かせる部署ですね。
      広告代理店/出版社などの方々と接する機会が多いのも事実で、華やかなイメージがある分人気も高い部署です。

      「広報をやりたいです!」

      というだけだと、「あぁまた来たよ。」と面接官に思われてしまうだけだと思います。広報専願でいくのであれば、それなりの下地と実力をアピールし、自分を雇うメリットを他の部署以上に訴求する必要があります。
      正直広報になるためのメソッドは持ち合わせていません(理系の技術バカなんで。。)
      なので、ネットに乗っていなさそうな情報を得るためのノウハウを紹介しますね。
       
       
       
      実際にいろんなメーカーの広報の方に「突撃」してお話を聞くのがいいかと思います。
      大きな新車展示会やモーターショー等のイベントで、メーカーの広報の方に片っ端から声をかけて行く。うざがられることも有るでしょうが、大抵は短時間であればお話し聞いてくれると思います。そういった足を使った、「生の声」を聞く活動をしてみてください。

      「広報になるために何をしたか」
      「具体的にどういう仕事なのか」
      「学生のうちに学んでおいたほうがいいことは何か」

      こういったことを聞いて、全てのメーカーで共通に言われたことをしっかり学んできました!(⇒面接でプレゼン資料を作ってPR)
      そして、

      「自分を雇うことで、あなたの会社にこういうメリットが有る。」

      これをしっかり面接でアピールする。こういったアプローチがいいかなと思います。
      下手くそでもいいんですよ。中身が70点位でもOK. 「目立つ☓実力」が就活で抜け出せるポイントです。

      ・自分で考えて行動ができる
      ・泥臭い情報収集ができる
      ・自分を雇うことで、企業が良くなるという提案ができる(自分を雇ってではない)

      これができる人材は、自分も普通に欲しいです。
       
       
      なお交通経済学は学んでおいて損はないですが、必要条件ではないと思います。
      何よりいちばん大事なのは、「車が好きである」ということですね。
       
       
      ファイズさんがご自身の好きな業界で、活躍できることを願っています。

      • 返信ありがとうございます。モーターショーには行ったことないので行ってみようと思います。自分は広島在住なので今年の東京モーターショーまでにお金を貯めたいです。あと調べてみたら今年は終わってしまいましたが毎年広島輸入車ショウなるものが開かれてましたので来年からはのぞいてみようと思います。
        広島からの距離的には大阪か福岡、次点で名古屋で開かれるモーターショーが旅費が安くつくので狙い目ですね~。

        • ⇒ファイズさん
          東京モーターショーは2年に1回なので、来年になりますね。
          広島でしたらマツダさんも近いですね。色んなイベントとか業界に努めている人の生の声を、少しでも多く集められるといいですね。

          ↓ちなみにこんなサイトも有りました。参考にしてみてください。
          http://shushoku-base.com/experiences/1348/

  • はじめまして、いつも楽しく拝見しています。
    自動車好きから自動車部品メーカーに就職した文系の者です。
    文系の仕事として生産管理が抜けているように思いましたのでコメントさせていただきます。
    車好きで物づくり好きの文系なら、生産管理が一番オススメと思います(しかも希望者が少ないから競争率も低い…)
    技術さんや製造さん、品質管理さん時には設計さんやサプライヤーや客先と会話しながら、物づくりをリードしていくのはやりがいがあります。文系で物づくりに一番近い職種かと。
    ぜひ偏見さんから、偏見に満ちたコメントを期待しています。

    • お返事遅れてごめんなさい。
      丁寧なコメントを頂いて嬉しいです。
      確かに生産管理さんが抜けていました。ごめんなさい。
      コレだから開発は!!ってまた怒られる。。

      工場で文系さんが多いのは、生産管理とか、あとは物流・梱包を担当するような人たちですかね。
      希望者が少ないというか、知名度が低いというか・・・。
      大事なんですけどねぇ。

      いつも見ていただいているようで嬉しいです。
      これからも頑張っていきましょう!

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