ショートレポート・レンジエクステンダーとは何か

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ノート e-powerが発売され、国産レンジエクステンダ―(REV)の幕が開けました。

この車、いったいどういう特徴を持ち、長所と欠点は何なのかと言うのを、分かりやすく解説したいと思います。

 

レンジエクステンダ―とは

通用REVと呼ばれ、日本語に直すと「航続距離延長装置搭載車両」となります。すげぇ名前。

小さなエンジンを高効率な発電機としてのみ使用し、発電した電気は一度バッテリーに蓄電。そこからモーターを回して走る車です。

EVという風に喧伝されていますが、広義ではHEV、シリーズ式ハイブリッドカーに当たります。

 

「i3」の画像検索結果

他にREVに当たる車両は、シボレー・ボルトBMW・i3などが該当します。

 

 

REVに必要なもの

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REVを作るには、以下のものが必要です。

  • 高出力のモーター
  • 燃費が良いエンジンと、発電効率の良い大容量オルタネーター
  • ある程度蓄電できるバッテリー

 

高出力モーター

モーターがある程度高出力でないと、広い走行域をカバーできません。

日本国内では、少なくとも120km/hで巡航できる性能と、瞬間的に160km/h程度までは加速できる能力が求められます。この辺は日産はリーフで実用化済み。

 

低燃費エンジンと高効率オルタネーター

発電はエンジンでガソリンを使うので、元のエンジンの燃費が良いのは必須。

低回転を一定に保ち、エンジンの効率が最も良い状態で強力に発電します。そのためにも、高効率なオルタネーターが必須となります。

 

バッテリー

バッテリーもある程度の容量が必要です。ずーっと電気で走り続けるわけではないものの、ガソリン消費を抑えるためには、一回満充電まで到達したら、しばらく発電しなくてOKになるような十分な電池容量が必要です。

 

これらのパーツの組み合わせで、REVが構成されています。

 

 

基本概念は旧い

このやり方は概念的には旧いもので、電車や船についてはREVの考え方で動いている物も多々あります。

比較的新しい所では、そうりゅう型潜水艦もエンジンで発電した電気を使って活動しています。

 

「蒼龍型潜水艦」の画像検索結果

https://z-shibuya.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-1510.html

これはディーゼル・エレクトリック方式と呼ばれ、超静音型のディーゼルエンジンを低回転で発電&リチウムイオン電池に蓄電、作戦行動中はより静音なモーターでスクリューを回すという仕組みです。

なお蛇足ですが、米軍は超高密度・高出力の電池技術を保有しており、あちらは発電機が付いていません。作戦行動中は全て電池の電力で航行します。なので自衛隊も欲しがっているとか。

 

 

利点

シンプルなメカニズム

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https://jp.autoblog.com/2017/01/22/e-power-no1/

何と言っても制御系がシンプルです。エンジンの駆動可否は、基本的にバッテリー電圧のみで判断します。エンジンは、電圧が下がれば発電。電圧消費が速い場合は、エンジン回転数を少し上げるという制御のみです。

またモーターはバッテリーからの電力のみで走り、エンジンからの直接的な電力供給は有りません。

HEVのように、必要に応じて発電→直接エンジン駆動に転換したり、発電した電力を直接モーターに電気供給するなどの複雑な制御が存在しません。なので作りやすく、原理上トラブルも少ないと言われています。

 

 

特殊なインフラ不要

EVが持つ急速充電問題が存在しません。

今の自動車用電池で、急速充電で80%程度迄充電するためには、最低30分程度かかります。電池が大容量になるにつれ、充電に必要な時間は長くなっていきます。充電プロトコル最適化や電圧UPなどのいろんな手段がありますが、電池容量が増えれば充電時間も長くなるのは自然の摂理です。

REVはガソリンで走るので、充電に関わる問題は本質的にありません。

これは凄いメリットです。

 

 

欠点

システム重量が重い

モーター&エンジンとバッテリーを抱えるため、システム的に重いという欠点があります。

まぁこれはHEVも同じですね。エンジンやモーターの小型化、バッテリーの高密度化で対抗していくでしょう。

 

高出力化に向かない

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これが結構大きな問題。

大型車両に搭載すると、モーターも強力にせざるを得ません。するとモーターの最大出力時に、バッテリー電圧がどんどん低下していきます。電気を馬鹿食いするのでね。最悪の場合、モーターの電力消費にエンジンの発電が追い付かない状況が生まれます。そうなると最高出力制限が発生し、踏んでも加速しない状態になります。

なので、SUVやD~Eセグメントの大型車両には、あまり向いていないんです。せいぜいリーフクラスのコンパクトカーか、良くて5ナンバーサイズのミニバン止まりだと思います。

 

対応策としては、バッテリーの高密度化、モーターの電力消費の最適化と、エンジンの発電効率UPなどがあります。ただ現状はどれも目いっぱいの状況。

とくにバッテリー高密度化とモーターの電力消費効率UPが肝なのですが、これが解決されると、すなわちEV化につながっていきます。すると、REV自体がが不要になる。

 

良い所取りの技術だけど、EV側のブレイクスルーがあれば消えてしまう技術。頑張って頑張って技術蓄積しても、技術トレンドから外れてしまったら、腐ってしまう代物。REVはそういう一面も持っています。

だから、積極的に動いているメーカーが少なかったのだと思います。あと完全自走できるレベルのモーター技術要るしね。

日本の場合は、渋滞が多く平均車速が低いという特殊性から、一番効率の良いHEVをトヨタが先陣を切って選択したのも大きいと思います。

 

ただその日本でノートがバカ売れ。

幾つか情報を聞いていますが、今後REVはいくらか増えるかもしれません(参考情報)。

 

 

まとめ

基本概念は昔からある、旧い技術を応用して作られたレンジエクステンダー。

次世代自動車のメインストリームを彩るのか、それとも一過的な注目で終わってしまうのか。

今後の様子を見たいと思います。

 

 

以上です。

 

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