ホンダ・ステップワゴン 「こどもといっしょにどこいこう」の名コピーと共に、ホンダの窮地を救った立役者。安価&高剛性を両立する「後ドア左だけ」という仕様だったが、格安ミニバンとして売れまくった。5ナンバー最大級積載量でトランポにも好評 pic.twitter.com/ovD8MVZNBv
— 偏見で車を語るbot (@henken_car) 2017年6月8日
追加の偏見
90年代初頭の、死に体だったホンダが作り上げた、クリエイティブムーバ―という車両の第3弾。
1発目のオデッセイ、二の矢のCR-Vに続き、3番手に登板したのがこのステップワゴンでした。
おそらく当時、普通自動車規格での1ボックス型ミニバンを、ホンダは作ったことが無かったはず。それでも三菱との合併寸前まで追い込まれていたホンダは、考えられる限りの策を練り上げてこの車を世に送り出しました。
- ベースとなる車が有りません!
- シビックベースで作ろう。キャブオーバーではなくFFにすれば室内も広いし運転しやすい。
- 重量が重くなるので衝突安全性の成立が難しいです!
- 大柄なボディとミニバン特有のギミックによる重量増は仕方ない。削れるところは削る。
- リアドアは左側1枚でいい。後ろのガラスはポップアップで。
- リベットの目隠しも減らせ。
- コンピューター駆使して削れるだけ削って設計しろ。強度は必要最低限でいい。
- 新規製造設備導入で、コストが上がってしまいます!
- 型式認証の対応コストを下げるため、エンジンと変速機は各1種類。
- 限界まで軽くするから、馬力も落として低速に振れば大丈夫。
これ売れなかったら会社終わるから。最廉価のNは捨てグレード。売れ線のGとWで勝負だ!
・・・てな感じの猛烈なやり取りが行われ、世に出たステップは空前の大ヒットとなりました。

個人的に初代ステップワゴンは、ユーザーに何をしてほしい車か分かりやすいのが良かったのかなと思っています。
ボクシ―なデザインと大きく開くスライドドアで、人や荷物を載せる車なんだなとパッとイメージできる。イメージカラーも緑というアースカラーで、郊外へのお出かけに良い車、という感覚に訴えかける車両構成になっていると感じています。
そしてツイートにも書いた、「こどもといっしょにどこいこう」というキャッチコピー。
これはステップワゴンのキャラクターを非常に上手く表現していると考えています。「いつかはクラウン」に匹敵する名文といっても過言ではないでしょう。
完全に個人的な話になるのですが、長男が生まれてからこのコピーをふとした時に思い出すことが有るんですよ。そしたら、子供が無邪気な笑顔で芝生の上を右に左にと走り回っている姿が思いこされて、こみ上げてくるものが有ったりします。
これは今をときめくクリエイター佐藤可士和さんが、博報堂在籍時代に作ったコピー。
実際にかなり手ごたえを感じられたようで、そしてその後のクリエイター人生を決定づける大きな転機になったと、プロジェクトX内で語られていました。
参考記事:https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140325/261710/
・・・佐藤さんはこれを機にホンダとの結びつきが非常に強くなり、最近ではNシリーズのトータルブランディングにも関わられています。
先述の強引な車体設計は、各部の強度不足を招いたりもしたようなのですが、そこは「設変(せっぺん=設計変更)のホンダ」と60年代のバイク屋家業だった頃から言われていた同社の本領発揮で、部品メーカー泣かせの細かい細かい設計変更を繰り返し、みるみるどんどんブラッシュアップされていったようです。
ステップワゴンはホンダに多額の現金を注ぎ込むことに成功し、2000年代を目前に失速していった日産・三菱をしり目に、日本を代表する自動車メーカーに成長させる原動力となりました。
Twitterでの声
この頃のステップワゴンが1番かっこよかったんだよな
ここから派手になっていくのであった… https://t.co/bOexHCwBD8— 流星 (@yamaryu0430) 2018年4月24日
ウチの親新車で3台乗り継いだんだけど、
購入時子供向けのステップワゴンの機能を楽しく紹介した絵本みたいのわかる人いないかな??
アレがすごい思い出でステップワゴン手放す時が1番辛かったな。
3台目は14年もウチの家族だったから笑 https://t.co/YXc9JfbxEo— 世界のクラモチ (@tigerkrm) 2018年4月24日
子供の頃酔って車で吐いたり野球で泥だらけでも送迎してくれた父が、お前が車買ったらゲロ吐いてやるし車内でお漏らしして土足でダッシュボードに足伸ばしてやる!って言っていたけど、
貸すときホントに大切に乗ってくれて嬉しい。— 世界のクラモチ (@tigerkrm) 2018年4月24日
ステップワゴンの思い出
・小学校に上がる前後、手動スライドドアを自力で開け閉めできるようになるも3台目に乗り換え。
開けられるようになってはしゃいでたのに笑— 世界のクラモチ (@tigerkrm) 2018年4月24日
今ホンダはミニバンメーカーだなんて叩かれるけど
オデッセイ、ステップワゴンのヒットでミニバンブームの火付け役はホンダだったりする https://t.co/pkTVMqrxJe— りようちえる (@hondashibig) 2018年4月25日
初代ステップワゴン、この前その新聞広告もツイートしましたが解決にもある通り「こどもといっしょにどこいこう」の名コピーが忘れられません。いまだに、ミニバンと言えばステップワゴン、そしてステップワゴンと言えばこの初代のイメージの人も多いとか。色も外観も広告もポップで楽しい🌸名車です! https://t.co/CQ6HtmTrYn
— たのしークルマを作ろう!by Nlab有志(Nラボ有志) (@tanoshi_nlab) 2018年4月24日
まとめ
クリエイティブムーバ―が登場して以来、80年代までの同社のアイデンティティだった、
「F1のホンダ」「技術のホンダ」「走りのホンダ」
から、
「ファミリーカーのホンダ」「ミニバンのホンダ」
へと大きなかじ取りをしていくことになります。これには良い面悪い面有ったかと思うのですが、「お客様が欲しいものを提供する」という会社の社会的責任を果たすためには、必要な判断だったと思います。
ただこの段階で、「自社の立ち位置を再定義する」という大事な作業がなされなかったがために、2010年前後から再度の苦境に立たされることになります。誰に向けて車を作っているのか、というものがすごくぼやけていました。もっと言えば、ホンダが積み上げてきたものに対して、自信を持てなくなっていたようにも感じます。
その危機を救ったのが、軽自動車というジャンルを一段上に押し上げる原動力となった、N-BOXという同じく箱型のファミリーカーでした。
そして先述のようにNシリーズのブランディングには佐藤可士和さんが絡んでいるという事実。これには不思議な巡り合わせの様なものを感じるのです。
主要諸元(2.0 W)
基本性能
型式 | E-RF1 | 最小回転半径 | 5.6m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.61m×1.7m×1.83m |
ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.8m |
ミッション | 4AT | 前トレッド/後トレッド | 1.49m/1.48m |
AI-SHIFT | – | 室内(全長×全幅×全高) | 2.73m×1.58m×1.34m |
4WS | – | 車両重量 | 1460kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 8名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.16m |
マニュアルモード | – | ||
標準色 |
サンマリノレッド、タイムグリーン・パール、ボーグシルバー・メタリック、ドルフィンブルー・パール、グラナダブラックパール、プリズムラベンダー・メタリック |
||
オプション色 |
– |
エンジン
エンジン型式 | B20B | 環境対策エンジン | – |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
過給器 | – | 燃料タンク容量 | 65リットル |
可変気筒装置 | – | 燃費(10.15モード) | 11.2km/L |
総排気量 | 1972cc | 燃費基準達成 | – |
最高出力 | 125ps | 最大トルク/回転数 kg・m/rpm |
18.5/4200 |
足回り
ステアリング | 位置 | 右 |
---|---|---|
ステアリングギア方式 | パワーアシスト付ラック&ピニオン式 | |
パワーステアリング | ◯ | |
VGS/VGRS | – | |
サスペンション形式 | 前 | ストラット式 |
後 | ウイッシュボーン | |
高性能サスペンション |
– |
|
タイヤサイズ | 前 |
195/65R15 |
後 |
195/65R15 |
|
ブレーキ形式 | 前 |
Vディスク式 |
後 |
ディスク式 |
主要諸元は、カーセンサー様から引用させていただきました
コメントを残す