マツダ・アクセラスポーツ CXー5に続き鼓動デザインを採用した世界戦略Cセグハッチ。極めてニュートラルかつ実直。後室も広い。次々に年次改良が施され、1.5~2.2Lまで、ガソリン・ディーゼルと4種類のパワーソースが存在pic.twitter.com/cRSE2XjbC5
— 偏見で車を語るbot (@henken_car) 2018年8月30日
追加の偏見
マツダが放った起死回生の3発目。
CX-5でおおっ?と思ったユーザーが、アテンザのデザインに驚愕し、そしてアクセラで多くの人の手に届く価格で提供される、狂喜しました。
個人的にはデザインが衝撃的でした。
個人的に魂動デザインって、ある程度車格が大きくないと見栄えがしないんじゃないかと思っていたんですね。なんか大型の猫的というか、猛禽類的というか。シグネチャーラインにしろ目つきにしろ、車がでかいから成り立つ迫力みたいなものが有ると思っていたんです。
アテンザやCX-5にはいいかもしれないけれど、Cセグのコンパクトにはどうなのよ?と。
でもアクセラは各所で塊感をしっかり持たせつつ、俊敏さと存在感を両立させるようなデザインにまとめてきました。
スカイアクティブ

そしてスカイアクティブテクノロジー。もちろん全面的に投入されています。
エンジンの低燃費技術と思われがちですが、これは実は思想。
それまでのマツダが培ってきた、ボディ・シャシー・トランスミッション・エンジンの設計手法を一旦リセットし、それを「理想的なクルマづくりのために再構築」するという、
「それ言うのは簡単だけどやるのは無理じゃね?」
という設計手法。

◎上記の手法が難しい理由:
- 作りたい車の最適解を明確にイメージする。
- 多様な車に適応できる形に、各構成部品にコンセプトを落とし込む。
- それを各部門の責任者に伝える。
- 会社組織全体のコミニュケーションを図り、ぶれないようにする。
これができる開発統括者と、それを見守る経営者、何より一丸となる会社の風土が必要。
追い込まれていたとはいえ、これやるのはとてつもない事だと思うのです。日本の自動車業界の中にいると余計に。
ディーゼル?ガソリン?どっちが売れてる?

https://toyokeizai.net/articles/-/117967
クルマ好き、特に偏見BOTのフォロワーさんとかには、ディーゼルやMTのイメージが強いかもしれません。実際自分もそれが一番の売りかと思っていました。
ただ実際のところは、ガソリン車の売れ行きが多いようです。世界的に見た場合は余計にそうで、マツダの基幹車種の一つとしてガソリングレードが幅広い地域で販売されています。
2017年の売上を見ると、国内でアクセラは2万3127台の売上なのに対し、海外ではマツダ 3の名前で44万2173台を販売しています。しかも中国・北米・欧州という順番で、中国券での人気が非常に高いようです。
これもデザインと、会社全体としてのクルマづくりを丁寧にPRしてきたことによる、ブランド力UPが効いているのだと感じます。
レンタカーで乗ってみた。

自分がアクセラを運転したのは、去年の帰省時のレンタカーでした。
空港近くのタイムズレンタカーで車を借りた際、コンパクトクラスで予約していたのに、シルバーのアクセラスポーツがおいてありました。
なんでだろう?と思ってつぶやいたら、親切なフォロワーさんから教えてもらいました。
元タイムズ店員です。土日はコンパクトカーの予約が多く、クラスアップ対応になることがあって、アクスポが用意されたんだと思います!ラッキーですね🙌
タイムズのコンパクトカーは基本デミオかフィットかノートですね。
ヴィッツとスイフトは台数少なめです…。— なっしー🚗クルマ好き×ミーハー女子 (@nassy_style) 2018年7月1日
おっしゃる通り、借りたのは土日を挟んでいたんですよね。かなりラッキーでしたね。
またチャイルドシートをレンタルしたこともあり、お店のほうが気を利かせてくれたのかもしれません。
室内

前席の着座姿勢は非常に素直だったように記憶しています。特に違和感を感じたような記憶はありません。
運転席のシートは、特に横方向のホールド性がしっかりしていました。高速道路で少し強めに曲がる際も、形で踏ん張ってくれたのを覚えています。厚みもしっかりあり、実家までの1時間半程度の移動も難なくクリア。オルガン式のペダルも、あまり操作したことがなかったのでどんなもんだろう?と思っていたのですが、変な癖は一切感じませんでした。
チャイルドシートに子供を載せた時、リアシートの広さに驚きました。大人が十分ゆったりできる程度に広く、なおかつ3泊用のキャリーケースをゆったり3個は並べる事ができる荷室容量も確保していました。広々作ってあるなぁと感心しました。
また音は全体的に静かなものの、それなりに風切り音やロードノイズなどは入ってきたように思います。
内装

BMWを意識されたのかな?と思うような水平基調の内装。悪くないと思ったけれど、かみさんが「高級感があるのかないのかよくわからないね」と言ったのが印象的でした。
確かにカタログやWEB画像で見た。艶ツヤでコントラストが効いた樹脂材をイメージしていると、思ったよりはチープな感覚を持ったのは正直なところ(オーナーさんごめんなさい)。
上の写真のような、一昔まえのBMWほど質素ではないけれどね。内装からは、世界観やテーマなどは強く感じました。価格帯的に難しいのかもしれませんが、作りたいデザインに素材・工法が追いついていないような、そんな感覚です。
まぁレンタカー向けに最低グレードを用意しているので、グレードが上がれば加飾が入ったりしてもう少し印象が変わるかもしれません。いずれにしろ内装を見るときは、カタログだけでなく現物を見て触ることが重要ですね。印象がだいぶ違います。

ちなみにエアコンはマニュアルでした。むしろマニュアル設定があったんだというのがちょっと驚き。
マツダコネクト

ナビとしての使い勝手は普通。シフトレバーの下にロータリー式のコントローラーが装着されていて、左右に回したり押したりして操作します。タッチパネルにも対応していました。
なんか微妙にフォルダ構成とか、操作系統の階層構造がピンとこない部分がありました。
「あれ?燃費情報表示されたいんだけど?」
「さっき表示させたあれどこに言った?」
みたいな。
これは自分が慣れていない部分もあると思います。
またマツコネ自体も何回かアップデートがかかっているようなので、ユーザーインターフェース関連はどんどん改善されていくと思います。
エンジン

レンタカーは1.5Lでした。これ個人的に好きなパワーフィールとサウンドを出してくれます。
111馬力と控えめの出力にもかかわらず、1260kgの車重をしっかりと加速させてくれました。数値以上に力強いです。
通常の巡航は1500rpm程度でクルーズするものの、踏み込んで2000rpm位になるとグワァーーン!といういい音が響き渡ります。個人的に踏んでパワーが出るタイプのエンジンが好きなので、楽しく走れました。一般道では十分な動力性能を発揮し、高速道路でも少し踏み込み気味で走れば全く問題ありません。
もう少し余裕がほしい!という人には、2.0Lグレードがだいぶトルクが厚くて「まろやかな走り」になるらしいです(某インプレッションより
AT
個人的に驚いたのがATでした。
最初CVTかと思うほどシフトショックがなかったからです。特に低速ギア。あれ?スカイアクティブにCVTって無かったよなと再確認したほどです。
めちゃめちゃ出来の良いATですねこれ。上記の数値以上のパワーフィールを感じたり、ストレスなく加速ができたのも、このATの出来がとても大きな役割を果たしていると思います。
横に倒してシーケンシャルシフトのようにして遊べるんですが、慣れないとシフトショックが大きく、同乗者を酔わせてしまいそうになったので止めました(苦笑
Twitterでの声
まとめ
アクセラさん3日間ありがとう。楽しく走れました。
一般道では必要十分過ぎるパフォーマンスを見せてくれて、高速道路でも踏み込めばしっかり流れをリードできる良い子でした。
あまり高速乗らないなら1.5の6ATで十分すぎますね。 pic.twitter.com/z9nwws0sZP— 偏見で車を語るbot (@henken_car) 2018年7月2日
アクセラスポーツは、そつなくまとまった素晴らしいCセグメントカーでした。通勤通学などの普段使いから、少し遠くへの旅行まで、場所と状況を選ばないオールラウン
部品の材質などは多少チープでも、作り自体はとても良く、操作性も悪くなく非常に乗りやすかったです。
世界中で売れている理由がわかりました。
今後アクセラに期待すること
今後中古車市場で価格がこなれていき、若い人が「乗ってみたいな~」と思うような車になっていくと良いなと思います。
これだけ見た目が良くて、世界観とコンセプトがはっきりしていて、走りもしっかりしていて、手頃な車両がになるのであれば、「車離れ」などといった現象を食い止める下地となるポテンシャルも秘めていると感じました。
末永く愛されてほしいと思います。
↓比較としてインプレッサの記事もどうぞ。同じように帰省時にレンタルしたときの感想です。
主要諸元(1.5C)
基本性能
型式 | DBA-BM5FS | 最小回転半径 | 5.3m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.46m×1.8m×1.47m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.7m |
ミッション | 6AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.56m |
AI-SHIFT | – | 室内(全長×全幅×全高) | 1.85m×1.51m×1.17m |
4WS | – | 車両重量 | 1270kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.16m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ブルーリフレックスマイカ、アルミニウムメタリック、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ、メテオグレーマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ |
||
オプション色 |
スノーフレイクホワイトパールマイカ |
エンジン
エンジン型式 | P5-VPS | 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
過給器 | – | 燃料タンク容量 | 51リットル |
可変気筒装置 | – | 燃費(JC08モード) | 19.4km/L |
総排気量 | 1496cc | 燃費(WLTCモード) | – |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
||
最高出力 | 111ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
144(14.7)/3500 |
足回り
ステアリング | 位置 | 右 |
---|---|---|
ステアリングギア方式 | パワーアシスト付ラック&ピニオン式 | |
パワーステアリング | ◯ | |
VGS/VGRS | – | |
サスペンション形式 | 前 | ストラット式 |
後 | マルチリンク式 | |
高性能サスペンション |
– |
|
タイヤサイズ | 前 |
205/60R16 |
後 |
205/60R16 |
|
ブレーキ形式 | 前 |
Vディスク式 |
後 |
ディスク式 |
主要諸元は、カーセンサー様から引用させていただきました
楽しく読ませて頂きました。
MC前のBM系アクセラスポーツ15S6ATに乗っていました。
外観のデザインは流麗でCセグメントとは思えない存在感があり、同価格帯の国産車の中では(あくまで個人的にですが)頭一つ抜けているように思います。
内装については、一部安っぽいパーツが目立つ部分もありますがデザイン自体は上品に纏まっており、また各所ボタン等も適切な位置にありとても使いやすかったと記憶しています。
運転姿勢もシート形状のおかげか自然に取ることができ、500〜600kmの長距離クルーズでも座り直し等する必要が無かったです。またアクセルペダルやブレーキペダルが右寄りに配置されている為か違和感なく運転できました。ハンドリングも大変素直で想像した通りのラインを描くことができ、ワインディングでの走りはとても楽しいクルマですね。
低速トルクが少し弱いかなと感じる点はありましたがエンジンは馬力と排気量の割に力強く良い音で唸ってくれる楽しいエンジンでした。
ロードノイズやマツダコネクトの操作性等気になる部分はいくつかありましたが総合的に200万円代で買える車としてはかなり高水準の車かと思います。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、デザイン自体はしっかり練られていると感じました。一個一個の部品はよくできていると思うのですが、ダッシュボードなど大きな部品に、コストダウンの様子が見て取れました。
ハンドリングも素直でいいですね。
あと思った以上に回って、「良い音」がしたのが印象的でしたね。思わぬ形で裏切ってくれたというか。踏んだぶんだけ頑張って、グーッとトルクが出るタイプだったので、高速道路の追い越しでも楽しめたように思います。
記事にも書きましたが、これが中古車市場で存在感を出してくれるようになったら、また車離れなどに対して一石を投じる役目になるのではないかなぁと感じたりしています。